インプラントには、コツがある!

患者さんの心身の負担も大幅に軽減されてきたことは、新しい再生治療の恩恵といえましょう。
次にそれ以外の、インプラント治療を含めた歯科治療の最新情報をご紹介します。 また、もう一つ骨の再生に深く関わっているのが、BMPという骨形成を司る生理活性物質です。
これは、未分化の間葉系細胞(発生初期段階にある未熟な細胞です)を骨芽細胞に分化させる能力を持つ、唯一の生理活性物質です(「未分化」・「分化」ということばは生物学の用語で、少し難しいかもしれません。 一般に生物の発生初期段階では、一つ一つの細胞が形態や機能面での特徴を示さず、区別ができません。
こうした状態を「未分化にある」といいます。 やがて発生が進むにつれ、細胞が集団を形成し、それぞれ特徴のある組織や器官を形成するようになります。
未分化だった細胞が、心臓・肝臓・胃などの組織を形成していきます。 この過程を「分化」といいます)。
私たちの実験では、このBMPの遺伝子組み換え物質を、再生の足場となるコラーゲンとともにマウスの皮下組織に埋入したところ、二週間後に骨のない皮下組織で骨の形成がなされ、これによりBMPが分化を誘導する能力を持つことが確認されました。 以上の方法により、これまでは難しいとされてきたケースでもインプラント治療が可能になってきこれまで書いてきたように、インプラント治療を受けるには、長い時間がかかります。

しかし、最近ではそのデメリットを補うべく、新しい治療システムが開発されています。 それが「即時負荷」インプラントと呼ばれるものです。
極言すると、人工歯根を埋め込んで上部構造を装着するまで、わずか一日でインプラントが完成するという、画期的な方法です。 これなら、時間に追われる多忙なビジネスマンでもチャレンジする価値はありそうです。
一九九六年から、「ノヴァム・システム」として、臨床応用が開始され始めた最新治療がその一つですが、その仕組みを簡単に解説しておきましょう。 まず、パノラマエックス線、陵合エックス線撮影などで、顎骨の状態やオトガイ孔の位置などを確認してから、歯肉部を切開し、そこに一ピース(一体型専用)の人工歯根を埋入します。
インプラントは「オーダーメイド」の治療と前記しましたが、その概念を覆す「高級既製服」ともいうべき治療法が登場したわけです。 顎骨の形態に合わせて、人工歯根を選択してから埋入し、粘膜を縫合します。
この一体型専用人工歯根に(患者さんに噛んでいただき、型をとります。 この型をもとにして、上部構造を作製し取り付けて完成、というのが概略です。
たいへんスピーディーな治療法ですが、これができるのは主に下顎であり、顎骨の状態および全身状態が良好である人に限られます。 顎の状態によって、その日のうちの即時負荷が難しい場合でも、通常より早い数週間で、負荷が可能となる症例もあります。
これは、前述したように人工歯根の表面加工が改良されてきたことによります。 また、臨床の現場に登場してから日が浅いため、その効果や、長期にわたって使用した場合どうなるかなどのさまざまな課題は、今後の報告を待たなければならないでしょう。

手術をリアルタイムに誘導する「ナビゲーション・システム」まだ世界でも開発されて間もない最新鋭機が、わが国にも導入されました。 コンピュータを用いて手術をより精密なものにするナビゲーション・システムです(ちなみに、私のクリニックに設置したのが日本における第二号機です)。
まだ一般的に普及しているわけではありませんので、簡単にその仕組みを解説しましょう。 わかりやすく、かいつまんでいうと、手術前の診査・診断で得られた患者さんの顎骨のCT画像データを、多平面および立体の情報に変換し、それを基に、歯科医師が立てた治療計画そのままに、モニター画像を見ながらリアルタイムで手術が進められるという画期的な装置です。
運転手が画面上の地図を確認しながら目的地にたどり着くのがカーナビゲーションという装置ですが、運転手を歯科医師、目的地を正確なインプラント埋入部位と置き換えればわかりやすいでしょう。 歯科医師を手術の成功へとナビゲーション(誘導)する、これがこの装置のあらましもう少し詳しく書くと、まず患者さんごとに正確な歯型をとり模型を作製します。
その歯型の上にホースシュー(手術の位置決めをする重要な装置)を取り付けて準備します。 CT撮影当日は、あらかじめ準備したホースシューを口腔内の上顎または下顎の残っている歯の上に装着してからCTを撮影します。
ここで得られたCT画像をナビ・システムに取り込み、インプラントを埋め込む場所のシミュレーションを行います。 こうして、実際の手術中には、ナビからの指示に従って、歯科医師は安全・正確に手術を進めることができます。
インプラントを埋め込む位置・深さ・角度をナビが正確に表示してくれますから、歯科医師は画面上でドリルの位置を確かめつつリアルタイムで手術を歯槽骨が十分あるような症例では一般的な方法でよいのですが、歯槽骨が大きく吸収され、上顎洞や下歯槽神経までの距離が近い症例では、骨増生などが回避される場合もありこのシステムを使う利点が大きいと考えられます。 インプラント治療計画において、CT撮影した画像をシム・プラントというシステムで多平面および立体的にコンピュータ解析して診査・診断することの有用性については述べました。
最近ではこのシステムはさらに進化し、治療計画の立案だけでなく、シミュレーションしたとおりの最適な位置に、インプラント埋入をガイドすることもできるようになりました(サージガイド・システム)。 まだ一般的に普及しているわけではありませんので、簡単にその内容について触れておきます。
まずCT撮影した画像を基に、シム・プラントで埋入のシミュレーションを行い、そのデータをインターネットを通してベルギーのプロダクションへ送ります。 そこでは、送られたデータを基に最新のコンピュータ・テクノロジーのCAD/CAM(設計・製造)により、レーザーを用いて患者さん自身の顎骨の解剖学的模型とサージガイドというものを光造形により作製します。
サージガイドには、インプラントを埋入する部位にドリルを規制するためのガイド溝がつくられており、それに沿って治療計画どおりに正確にインプラントを埋入することができるのです。 これにより安全かつ正確に、そして短時間にインプラント手術が行えるようになってきました(これも詳しくは次章のケーススタディをご覧ください)。

歯科用レーザー治療は、その効果に関してはまだ不明な点もありますが、現在主に以下の用途で使われています。 虫歯の進行を予防したり、知覚過敏による痛みをやわらげたり、治りにくい歯の根管内の殺菌にも効果があります。
また顎関節(がくかんせつ)や岨噌筋(そしゃくきん)の痛みのある部位に照射することで、痛みの緩和にも効果が歯科用レーザーによる歯周病治療あります。 特に関心が寄せられているのが、歯の硬部組織を削ることができるレーザー(エルビウム・ヤグレーザー)です。
これまで虫歯の治療というと、タービンで削るあのいやな音が患者さんの恐怖心をあおっていましたが、このレーザーを使用すれば安心です。

お手軽無料のインプラントの一環として捉えましょう。悩んだらインプラントをお試し下さい。
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どんな人にもインプラントではさまざまな施術を受けることができます。インプラントは常に前進しています。